つくる、つなぐ #1
第1回目のゲストは、デザイナーのYuka Koizumiさん。河原との出会いは、Yukaさんが伊勢丹新宿店でのPOP UP SHOPに来店されたのがきっかけでした。
– Yukaさんがお店にいらしたとき、なんて綺麗な方だろうって一瞬息をのんで。しかもその時に来ていたドレスが本当に素敵だったから、勇気を出して「どこのですか?」って訊いてみたら「私が作ったんです」って。2度ビックリ!
特にこだわっている部分は、胸からウエストにかけてのラインと裾のボリューム。“女性ならではのライン”が出るようにデザインしています。でも、あえて裾は切りっぱなしにしたり、ジッパーを付けずに被って着られるようにして、軽さや着心地を大切にしました。
– “大人の色気“みたいなのが出るブラックドレスでありながらカジュアルにも着られるものって、なかなかないですよね。
パーティに着ていくこともできるし、下にデニムを合わせたり、いろいろな組み合わせを楽しめます。
– それで、私が思わず「作ってください!」ってオーダーしたことが、Yukaさんとの出会い。
初めてのオーダーだったのですごくうれしかったし、自信になりました!
– そもそも、どうしてデザイナーになろうと思ったんですか。
デザイナーというと自分にはまだカッコ良すぎてしまうのですが、兄の影響もあり服を作れる人になりたいなと思い、作り始めたのがきっかけです。私はシンプルで着やすいものが好きで、デイリーにもパーティでも着ることができる、長く愛用してもらえる服を作りたいと思っています。今のところは、パターンも縫製も全部ひとりでしているので、しばらくはオーダーのみで作っていくつもりです。
– お仕事や日常生活で大切にしていることってありますか?
自分と対話する時間を必ず取るようにしています。私は日記をつけているのですが、書きながら、自分の中にいるもうひとりの自分と対峙することを大切にしています。
– 私もいますよ、もうひとりの自分。
いますよね。
– もうひとりの自分はどんなひとですか?
80歳のおばあちゃんです。
– おばあちゃん?!
昔から何かの選択で悩んだとき、80歳になった時の自分を想像して、その自分と話をします。そのおばあちゃんは、今の自分にどんなふうにアドバイスをくれるだろう?って。
– どんなおばあちゃんなんですか?
なんかもう本当に色々経験していて、微笑みながら座っているんですよね。綺麗な白髪で、孫と話すみたいに余裕たっぷりな感じ。
– そのおばあちゃんが、デザイナーとして走り始めたYukaさんに、どんな言葉を伝えてくれるんですか?
私はそのとき夢中になったことに一直線な性格で。今は服作りがすごく楽しいから、おばあちゃんも「いいじゃん、やってみなよ」って背中を押してくれます。
– 着ているだけで気持ちが上がるドレスですね。ドレスなのに着ていて全然疲れない!お買い物にも食事にも着ていけそう!
締めつけがないので着やすいですし、ストレッチ素材だから、体型が変わっても長く着ていただけると思います。
– Yukaさんは、将来どんなデザイナーになりたいですか?
作った服を長きにわたって愛してもらえるような、流行りにとらわれない服を作っていきたいですね。
– 何十年後かに、海外のヴィンテージショップにあったら素敵ですね。
いいですね!あったらうれしい!! 年月を経ても、人から人や世代を渡って、長く愛してもらえたらうれしいですね。
1991年千葉県生まれ。ファッションデザイナーである兄、小泉智貴(TOMO KOIZUMIデザイナー)の影響を受け10代の頃よりファッションに興味をもつ。高校卒業後、アパレル店員として働く中でファッションの一部であるネイルに興味を持ち2012年ネイリストとなる。2016年、事業経営や営業に携ることのできるITベンチャーへ転職。2021年、TOMO KOIZUMIブランドマネージャーとなる。その傍ら2022年春より服作りを独学でスタートさせた。